アーマードプレコについて

2007/8/26

アーマードプレコについてのご質問をいただきました。

現在、流通しているアーマード系プレコは4種類いると思われます。 アーマードプレコは、どれもまるで皮の鎧を着たようなプレコです。 プレコの目にしてはつぶらな瞳です。 ほとんどのプレコはオメガアイと呼ばれるような目の形をしていますが、アーマード系プレコは真ん丸の目をしているのが特徴です。 また、通常のプレコのお腹はツルツル(ヌルヌル?)ですが、アーマードは他のプレコと違いお腹も皮の鎧状になっているのも非常に特徴的です。

大きさの割りにその穏やかな性格が混泳向きということも有り、紹介されているプレコの中でも特に人気が高い種類です。 ただし、私のところではごく稀に同種同士での小競り合いを何度か見たことがあります。 しかし、他の大型プレコと比較すると非常に温厚であると思われます。

一番流通しているアーマード系プレコは、Pseudorinelepis sp (L-95)と記されているオレンジフィンアーマードプレコです。 オレンジフィンアーマードプレコは、顔の周りやヒレに載るオレンジ色、黒のスポットが入ります。

オレンジフィンアーマードの入荷は20cm 〜 30cmクラスのものが上陸の主流で、幼魚は何故かほとんど入荷されてきません。 10cmほどのサイズが入荷したという話は数例聞いた事があります。 幼魚がどのような形態であるかは現状では不明であると思われます。 幼魚の形態が知られていないということは、誰も繁殖に成功していないということになると思われます。


オレンジフィンアーマード

2007年は、例年には無く15cm 〜 20cmのオレンジフィンアーマードが比較的多めに上陸しました。 しかし、10cm以下のサイズの上陸は、ほんの数例あったものの皆無に等しいです。

例年であればオレンジフィンアーマードの大型個体の入荷が多くなるのは11月末〜12月ぐらいなので、数ヶ月後には多くの店頭でオレンジフィンアーマードが見られるようになると思われます。 ただ、今年は4月にオレンジフィンアーマードの入荷があるなど、大きく例年の傾向と違ったので今年もズレる可能性はあるのでご注意下さい。

オレンジフィンアーマード以外には、スポットの無い種類も紹介されています。 ニューオレンジアーマードと呼ばれているもので水質によっては尾びれのみオレンジ色が挿す。 オレンジフィンアーマードに比べ体腔は低くなっています。 こちらは15〜20cmクラスでの入荷が多いです。 このニューオレンジアーマードは、恐らくオリノコ産であるL152だと思われます。


ニューオレンジアーマード

上記写真のニューオレンジアーマードは真っ黒に見えますが、このニューオレンジアーマードは保護色の関係で色が変わります。 環境によってはヒレがオレンジ色に変わります。

他に、スポッテドアーマード、ブラックスポットアーマードと呼ばれるタイプもいます。 これは、Pseudorinelepis genibarbis という種類だと思われます。 このPseudorinelepis genibarbisのネグロ産のものには色目が多少異なるものがいるという話を聞いた事がありますが、おおぞら観魚園では残念ながら扱ったことがありません。 Pseudorinelepis genibarbisに関しては、明日のコラムで続編を掲載する予定になっています。

上記種類はどれも50cmほどになると言われる大型種です(Wels Atlas 2 p.1196 - 1203参照)。 しかし、実際に私が40cm以上で確認しているのはオレンジフィンアーマードのみです。