タイタニックトリム

Pseudacanthicus sp.

L-273

1990年代後半のシングー河プレコブームが一息ついた頃に、タパジョス河を代表するプレコが何種類か紹介されました。

  • タパジョスグレイトリム
  • インペリアルタイガープレコ
  • クイーンアラベスク
  • キングオブギャラクシー

これらの、美しくインパクトのあるプレコたちがタパジョス産プレコブームを盛り上げました。 この時期に紹介されたプレコのひとつが、今でもトリム系を代表するプレコの一種となっているタイタニックトリムです。

初期に上陸した個体は10数cmのものが極少数でした。 さびた黒茶色によく見るとマーブル模様の不思議な印象でした。 体型もウルトラスカーレットトリムに比べると、頭から尾びれにかけたボディーラインはなだらかで、まさに港に停泊している船体が錆びたような感じがしました。 今で言うタイタニックに比べると黄色味はほとんどなかったように思います。 それでも非常に高価なもので、さすがに手に入れるには戸惑う価格でした。

その後、しばらくして、タイタニックのベビーサイズが上陸してきました。 最初に見た個体とは明らかに違う派手な色目で、黒のマーブル状模様に体色はオレンジ色(黄色っぽいものなど)でした。 今で言うウルトラタイタニックスーパーレッドといわれるものでした。 初期に入荷していた者たちよりさらにタパジョス河上流で採集されたものと知りました。 (下流産のものは、比較的こげ茶ベースの色目が強く出る様です。) 模様にも当然ではありますが個体差があり、数cmの派手なベビーサイズがチョコチョコう泳ぐ姿は非常に美しいと思いました。

同時期には、大物(30cmクラス)も入荷を見るようになりベビーサイズとはまた違った印象ですが、小さな金箔をちりばめて這ったような姿とその迫力はまた魅力的でした。 最近はあまり大物の入荷は少ないですが、見つけたら手に入れたい1尾です。

タイタニックトリムはバリエーションも多く色目模様は多々あります。 価格面でも少々落ち着いてきましたので、ベビーサイズのときとの色目の因果関係を考えながら選ぶと面白いでしょう。

ベビーサイズはウルトラスカーレットに比べ少しではありますがデリケートな感じもします。 ベビーサイズの飼育には、フィルターやエアレーションをしっかりしましょう。

タイタニックトリム、名前の由来は当時大ブームだった映画、レオナルド・デカプリオの「タイタニック」にも由来しているといわれます。 この名前は日本だけではなく、英語圏でも「Titanicus Pleco」や「Titanic」と呼ばれているようです。

参考

2007年2月現在