メガクラウンとMega Clown

2007/9/11

メガクラウンと呼ばれるプレコがいます。 このメガクラウン、実は英語圏でMega Clownと呼ばれているものとは違うものです。

海外では、Mega Clown (LDA19/L340) はオリノコ産の黄色いHypancistrusです。 Mega Clownは黒と黄色の体色という特徴があります。 以下の写真は、Wels Atlas 2 の 613 ページから引用したものです。

上に載っている個体は独特の模様ですが、下の個体の模様はイエロー(もしくはゴールデン)の通常キンペコのように見えます。 海外では、上の個体も下の個体も "Mega-Clown" です。

Wels Atlas 2によると、元々「Mega Clown」という単語は上記引用写真の上部個体単体につけられた呼称であったようです。 しかし、時と共にL340全部がMega Clownと呼ばれるようになったそうです。 (ここら辺はドイツ語をうまく読めていないかも知れないので、間違っていたらご指摘下さい。)

Mega Clownという名称が採取地域に関連している一方で、日本では個体の見た目につけられるという違いがあります。 日本では模様の綺麗なキンペコ風のHypancistrus全般に「メガクラウン」という呼称がついているようです。 「メガクラウンゼブラ」と呼ばれることもあるようです。

これは、本来の「Mega-Clown」の個体写真を見て「模様が似ているからメガクラウンという名前で販売しよう」と思ったのが普及していったのではないかと予想しています。 そして、似ているかは個人によって受け取り方が変わります。 そのため、日本では第三者が検証可能な「メガクラウン」の定義が無いと言えるかも知れません。

また、最近では「メガクラウンと呼ばれる個体の質が落ちた」という話を耳にすることがあります。 これは「日本で発表されたメガクラウンに似ているからこれもメガクラウンだ」という事を繰り返した結果、「Aに似たBに似たCに似たD」のようになってしまい、段々と「メガクラウン」という名称がつけられる個体の範囲が拡がって行った事が原因なのではないかと予想しています。

「メガクラウン」と「Mega-Clown」。 時間とともに同一の起源を持つ名前が日本と海外で乖離(かいり)してしまったようです。