熱帯魚の流行あれこれ

2007/6/26

おおぞらです。 私がプレコを本格的に扱いはじめてから10数年経ちましたが、その間に色々とプレコの世界も変わりました。 熱帯魚の世界も同様に変化していると思われます。

昔はプレコはあまり見向きもされませんでした。 今のように雑誌で毎月プレコが紹介されるなどということもありませんでした。 そのため、問屋への入荷も少なかったです。 入荷が少ないと、新種も混ざりもあまり入りません (ただし、知られていないが故に珍しい混ざりがチョコンと入っているということはありました)。 ただ、プレコを求めるショップも少なかったため、問屋でのプレコ仕入れも今ほどは競争がありませんでした。

競争は入荷だけではありません。 手に入りやすい種類は価格競争が発生しています。 逆に、手に入りにくい種類は高騰しています。

さらに、プレコを求める国も増えました。 中国です。 現在、中国では日本の一昔前のバブル時代のような状態であると聞いています。 その中国で観賞魚の人気が上昇中であると聞いています。 そのため、南米からの入荷競争に中国という巨大なライバルが現れ始めているのではないかと思われます。

日本で熱帯魚飼育がブームであったころには日本に優先的に魚がまわってくるという話を聞いたことがあります。 アロワナは日本のバブル期にドンドン入荷され、非常に高価なものが飛ぶように売れていました。 現在では、その熱が冷めかけているように思えます。 ディスカスも一時は高価なものから先に売れていった時代がありましたが、今はその時ほどの勢いはありません。 そのような時代には、次から次へと魚が日本に送られてきました。 しかし、残念ながらその勢いは衰え、他国へまわされる魚が多くなってきていると聞いています。

現在は、昔と比べると流行の移り変わりも早くなっている気がしています。 一番売れるのは、入荷価格が上昇中のプレコであることが多いです。 逆に、数ヶ月前に注目されていた種類でも、急に見向きもされなくなることも多いです。 プレコ自体の美しさはあまり変わっていませんが、急に求める人が減ってしまうのは非常に不思議であると感じています。

さらに、インターネットで情報の流通が促進されたため、人々が求める魚の質がドンドン上昇しています。 インターネットで掲載されるのは特に美しい個体が多いため、人々が期待する平均値も上昇してしまっています。 昔は良いものを選ぶには経験が必要でしたが、今ではプレコ初心者であっても最初から美しい個体を選ぶ能力を備えています。

また、価値がある魚と言う定義も多少変わっています。 昔は、ショップで長期保存された魚は安定した非常に良い魚であるという扱いをされていました。 しかし、現在では「売れ残り」というレッテルが貼られてしまうようになっています。

時代とともにプレコや熱帯魚に関しての興味の対象や、それを求める人々の行動は変化していますが、プレコの可愛さは永遠に不滅であると言えるでしょう。 時代の流行を追うのも楽しみ方の一つですが、例え世の中では安物と言われているプレコであっても、自分が可愛いと思えるプレコを信じて我が道を行くということの美徳も大切にしたいと思う今日この頃です。