ゴールデンサンダーロイヤルについて

2007/5/11

プレコ王国のお問い合わせでゴールデンサンダーロイヤルに関するご質問を頂きました。 このコラムで回答させて頂きたいと思います。

ご質問1

最近、いろいろなショップでゴールデンサンダーロイヤルが売られていて、 よく聞く(表記されている)のが、  テレスピレス河シノッピ産とタパジョス河イタイツーバ産のゴールデンサンダーロイヤルは 全然別物の様な扱われ方をされています。 シノッピ産は金色でイタイツーバ産は黄土色だとか・・・

シノッピ産はシャープでイタイツーバ産はずんぐりしているなどの情報がありますが、実際はどうなんでしょう? 二つの産地のサンダーを見比べたことがないのでどれぐらいの差があるのか知りたいのです。 シノッピ産のサンダーが本物で イタイツーバ産のサンダーが偽者的なとらえ方をされているショップも結構あるので・・・

回答1

イタイツーバ、シノッピ、タパジョス河、テレスピレス河の地理関係を地図で示してみました。 黄色い線がタパジョス河で赤い線がテレスピレス河です。

Wels Atlas 2での分け方ではゴールデンサンダーロイヤルは「 Panaque sp. (L27) "Tapajos", LDA77 」となっています。 Wels Atlas 2では「テレスピレス河でも同様の種類が捕獲された」というような表現が書いてあると思われます(ドイツ語で良くわからないので誤訳しているかも知れません)。 ということで、Wels Altas 2での定義ではタパジョス産もテレスピレス産も両方とも LDA77 であると思われます。 しかし、プレコの分類はよく変更されるので、今後も両種が同一に扱われ続けるかどうかは不明です。

同じシノッピ産でも色、模様、体形などの個体差が非常にあります。 ほぼ成魚を同じサイズのものを数個体ずつ集めて比較して初めて違いが微妙に見えてくると思いますが、中々其処まで集めて比べた方もいないと思います。 たまたま見た1匹と1匹を比較して微妙な違いを見つけたとしても、ロイヤル系プレコでは外見で判断することが困難だと思われます。

色目の判断も難しい面があります。 プレコは保護色も使いますし、発情期もあります。 写真があったとしても、撮影時の状況/環境/体調などで変わってしまいます。

本物偽者という表現があるそうですが、それは生体の優劣を決定しているわけではないと信じています。 例えば、コリドラスステルバイが紹介された後に、良く似たコリドラスハラルドシュルツィ(シュワルツィ)が「偽ステルバイ」という表記で販売されていた時代がありました。 今では、ハラルドシュルツィを偽者と呼ぶ人は少なくなりました。 価格もステルバイよりも高価になっています。

私の個人的な意見としては、両方とも本物のゴールデンサンダーロイヤルと思って各個体を愛でて頂くのが良いと思います。

ご質問2

プラチナロイヤルについてですが、プラチナロイヤルの幼魚がロングスナウトということで売られていますが、 同じサイズ(例えば7cm)でもロングスナウトで売られているのとプラチナとして売られているのはどういう意味で分けて売られているのでしょう?

回答2

ロングスナウトロイヤルはプラチナロイヤルの幼魚を指します。 プラチナロイヤルの幼魚時代には、特別にロングスナウトロイヤルという名前がついています。 ロングスナウトロイヤルが初めて紹介された当初は、プラチナロイヤルとは別物として扱われていましたが、実際には幼魚でした。 ロングスナウトロイヤルは鼻が長く、各ヒレが赤茶色っぽく見えるという特徴があります。 ロングスナウトロイヤルは成長とともに、茶色が抜けていきプラチナロイヤルらしくなっていきます。

幼魚は何センチまで?などの主観も入りますので、ロングスナウトかプラチナかを正確には言い切れません。 入荷してくるときのインボイスをそのまま引用しているケースや、ロングスナウトも結局プラチナロイヤルであることに違いが無いのでプラチナロイヤルと表示することが考えられます。 ショップが判って表示していることと、判らずにインボイスそのままに表示していることもあります。 ただ、ロングスナウトロイヤルの茶色が抜けたときからプラチナと呼んでいる傾向があるように思えます。

しかし、やはり最終的にはロングスナウトもプラチナロイヤルであることに違いはありません。