プレコのサイズと成長について
よく、以下のような質問を聞かれます。
- 「このプレコは 何センチまで成長しますか?」
- 「○○プレコを飼っているのですが 成長が早いのですか遅いのですか?」
プレコの説明で、書かれているサイズのご存知の通り、殆どがMAX(最大)サイズの表記です。 これは、自然界での成魚の平均サイズだと考えられます。 例えば、最大サイズは50cmにもなるといわれているロイヤルプレコが店頭で並んでいる場合、殆どが、10cmくらいのものです(時に30cmクラスのものもいます)。 そこで、気になるのは飼い続けて行けば どのくらいまで大きくなるのかということです。
しかし、上記の「何センチまで成長しますか」という質問は少々漠然としておりまして、答え方が難しいものなのです。 まず、環境がわからないことには何ともいえません。 広大なアマゾンの河で成長していくのと、水槽のなかで成長していくのではあまりに環境が違います。 水槽といっても、60cm幅の水槽と120cm幅の水槽では やはり成長速度が違ってきます。
いくら、1mになるといわれているアカリエスピーニョマラジョーでさえ 幼魚を環境の整った30cm水槽で何年飼おうとも、決して、1Mになることはありません。 ある日「水槽から尻尾がはみ出していました」などということはないのです。 要するに、それぞれの環に合ったサイズが保たれるのです。 ここに、一言では言えない成長速度の答えの難しさがあります。
アクアリストが最初に出会うことの多いセルフィンプレコは、他のプレコに比べて比較的早く大きくなるイメージがあります。 セルフィンプレコもロイヤルプレコと同じ最大サイズと言われています。両方とも50cmくらいになるプレコであると言われています。
ロイヤルプレコの場合は、もともとそんなに早く成長するイメージがありませんが、 やはり、広い環境で、よく餌を与えられ、水質管理がしっかりしている場合、徐々にではありますが大きくなります。
ここで、またひとつの疑問が浮かびます。
実は前々から飼っているプレコが、殆ど成長しない(他のプレコは確実に大きくなっているのに)というパターンです。 同じ環境条件で、同種類のプレコを指して、 ある人は「この種類は、すごく成長が遅いよ。」と言い、 別の人は「この種類は、中々大きくなりにくいよ。」と言うことがあります。
また、同じ種類のプレコを飼育していて、同時期に同じ種類の同じサイズのプレコを何尾か買ったのに まったく大きくならないプレコがいると言う意見もあります。
これと解く鍵もやはり、環境から来るものです。 人にもある 「成長期」と言うのがプレコにかかわらず他の魚にもあります。 大きくなるプレコは、この成長期の周りの環境がよくスクスク育つことが出来たものです。 逆に、この時期を逃すと餌を食べるのに 中々大きくなることが出来ません。 周りの力関係もあるでしょう。 餌の当たり具合もあるでしょう。 その時期に何らかのストレスで、食が細くなったと言うこともあるでしょう。
成長期にいわゆる「コズミ」に当たることを経験したプレコ(魚)は後々大きくなりにくいものです。 「○○プレコを飼っているのですが 成長が早いのですか遅いのですか?」 も一言では言いにくいところがそこにあります。
もともと小型のプレコは、成魚が小さいため見た目の成長は遅いように感じますが、 最大サイズから考えた成長の比率は、そう変わらないと思います。 もともとが小型ですから。
もし、プレコ飼育を考えるときに、大きくなったら手に負えないので・・・ ということをご心配であれば、結局お手持ちの水槽サイズに合わせた成長をするということですので、ご安心下さい。
大きく大きくしたいと言うのであれば、上記の内容をヒントにしてください。 それでも中々大きくならないのがプレコだったりもしますが、 水槽では実現しにくいので、巨大なプレコを輸入している理由と価値がそこにあります。
2007年2月現在